鹿島田浩二

2003年世界選手権 日本代表



質問1
フィジカル(体力)トレーニングについての質問です。
(1)昨年度(2002年度)のトレーニング状況(内容、量など)

3740km 400時間程度
内容は
OL(地図を使ったラン)340km
トレイルラン330km
平地の不整地381km
ロード、トラック2678km
クロストレーニングは10%未満(水泳、登山、筋トレ)

強度では
H 10%
M 8%
L 82%
(Hは平地換算3'40/km未満程度 心拍で170以上くらい)
(Mは平地換算4'00/km未満程度 心拍で155以上くらい)
ただし、%は距離尺度で、H、はOLがメインなので時間換算するともう少し多いと思う

山岳走や陸上(マラソン、ハーフ)には本業に邪魔にならない程度に参加。出稽古の意味合いのほか、フィジカル面の客観的判断要素に役立てている。





(2)今年度(2003年度)の年間トレーニング計画

計画では3700km 450時間とし、昨年よりクロストレーニングを10〜20%取り入れていく予定であったが、前半体調不良が多く、4月末時点で1100km 120時間程度の見通し、年間計画もやや下方修正か。





(3)典型的なメニュー、1週間の過ごし方

典型的な一週間の過ごし方というのはあまりない。その週の仕事の多忙さ、出張の予定、飲み会の予定、その他オリエンテーリング以外の要素と、自分のトレーニング計画の中でこなしたい量を鑑みて毎週妥協点を見出ながら行っている。基本は少しでもなるべく毎日走る。
基本的には水曜のスピードトレと週末のLSDやレースを骨とし、残りの日はジョグの量で調整。トレーニング量を積みたい時期はLSDを木か金に取り入れる。時間は基本的に帰宅後が基本。朝が弱いため、出張時か、夜に走れないことが分かっている時のみ朝走る。
今年からトレーニングのバリエーションを取り入れる意味で、スポーツクラブに週2回程度通い、トレッドミルでの坂道走のほか、クロカン(脚と手でこぐマシン)、エアロバイク、階段のぼり、筋トレなどを行っている。





(4)トレーニングの評価指標(距離、時間、心拍数など)

クロストレーニングを行っていることもあり、距離と時間を併用し、両方でまとめている。
心拍数は測っていないが、主観的強度で5段階、走る場所(森〜ロード)で4段階にわけている。




(5)目標となるタイム(例えば、5000mで16分、フルマラソン3時間以内)

5000mのベストは15'46(97年)だが、おそらく現在は16'30程度
フルは2'37がベスト(97年)。昨年は1回走って2'50
ハーフは73'がベスト(99年)
30代になって明らかに陸上のタイムは落ちているが、富士登山を見ると、02年に競争でほぼ自己ベストタイの3'10(順位は最高)、駅伝5区で自己最高54'を出している。不整地に関しては維持していると考えている。





質問2
テクニカルトレーニング、メンタルトレーニングについての質問です。

(1)OL技術(読図やコンパスワークなど)に関するトレーニング

怠けもののため、普段からはしない。そのため合宿の準備などを通じてコースプランなどを行い、自分のマップトレに役立てることもある。
ただし重要な大会の前(全日本、WOCセレ、WOC、WCなど)では事前に既存マップによるルートプランニングトレは通勤時や暇をみつけて行う。




(2)メンタルトレーニング

基本的にはなし。

重要なレースの日には、レースでのテーマを決めて、スタート前に自分に言い聞かす。手に書くこともある。
例:セレ1 103%に入るレースをすること。
  セレ2 ルートチョイスのあるレッグでは必ず止まって、あらゆる可能性を探すこと。迷ったら廻る。




質問3
トレーニングにおける工夫についての質問です。

(1)オリエンテーリングを特に意識したトレーニング方法

特にありません。






(2)トレーニングする時間を確保する工夫

通勤ランを含め、時間がない時は移動をランすることで距離を増やす。
飲み会では乾杯程度であれば3時間たてばジョグなら走れる。
合宿では撤収や設置はトレーニングチャンス。






(3)その他トレーニングにおける工夫

たいしたことではないが、ジョグ後のビールは買わないでおいて、トレーニングから戻ってたら1km先の酒屋まで買いに行って+αのトレ-ニングをするなど。






質問4
日常の工夫についての質問です。
トレーニング以外で、トレーニングやパフォーマンス向上に関連した日常の工夫があれば教えてください。

特にないが、オリエンテーリングに対する取り組みに緩急つけて、意識的にOLをしないオフをつくることで、オリエンテーリングへのモチベーションを維持し、パフォーマンスの向上に繋がっていると思う。



質問5
最後に、オリエンテーリングに取り組んでいる学生に対して、アドバイスをお願いします。

持久スポーツは、基本的にトレーニング量の絶対量が必要なので、まずコンスタントにトレーニングする癖をつける必要があるでしょう。その上で早くなるための工夫というのが必要ですが、その部分については僕自身も答えは見出していません。誰かのトレーニングパターンや意見を絶対視せず、いろいろな人の意見を聞いて見ることをお奨めします。







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