ランニングクリニックを終えて


吉田 勉










テーピングをすることと足首を使えないことには相関関係がありそうです。たぶん、恒常的に足関節をテーピングで固定することで、足関節を動かすというより固定するという働きが優位になるためだと思われます。臨床でも、ギプスなどをはずしたあとでもあたかもギプスをしているように振舞うことが多く見られます。

走行において足関節を使わないということは、他の関節(特に膝関節)に負担がかかりやすく、故障の原因になりやすいと考えられます。当然使える筋肉が減るので、パフォーマンスが高まりにくいことも考えられます。

だからといって、急にテーピングをやめてしまうと、足首を使えないのにさらにサポートをなくしてしまうことで外傷の危険性が高まるので、テーピングをやめようと思う選手は一度私の指導を受けて、足首を使えるようにしてください。やり方については、文章だけでは伝える自信がありません。(文の中の外傷と故障の使い分けですが、使いすぎることによっておこるものをとりあえず故障と表現しています。)

トレーニング内容については、やはり軽い長いトレーニングに偏っていると思われます。まず、やり方を知らないということと、距離を走るということへの信仰が強いためと考えられますが、人によってはゆっくり走ることでは十分に筋肉が使われない(使いやすいところだけ使う)傾向が強くなってしまい、筋力のアンバランスが助長されると思われます。そうすると筋肉によってサポートされない関節が出現することになり、その関節に負担がかかる状態が長く続くことになります。言い換えれば体を強くしようとして、逆に壊してしまう危険があるということです。

ジョグをするにしてもバランスよく使える(要はフォームがハイパフォーマンスのときと同等になる)ようになるスピードまで上げる必要があります。また、パフォーマンスをあげていくためには、高い強度をどれだけ維持できるかということが問題となり、高い強度を維持することで、さらに高いパフォーマンスを行うための筋力がついてくると考えられます。レースペースに近い形でのペース走。またはそれ以上でのインターバルなどの練習が必要だと思います。

いずれにしろスピード練習にしてもジョグにしてもスピードが遅すぎる印象でした。
 


 


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