日本男子チームのリレーについて

加藤弘之 (2009年夏)




まず、過去3年間の結果をまとめ、これまでの日本人男子チームの世界における位置を把握する。



過去3年間のまとめ

Fig.1は、過去三年間の順位の平均値を示している。
日本は、平均して、27位となった。
このグラフから、おおよそ、優勝争い、入賞争い、10位争い、15位争い、20位争いの5つの集団に分けることができる。
20位までは、大きくばらつきもなく、コンスタントに、同じく国が入ってきていることが見て取れる。






次に、Fig.2 に過去3年間のトップ比の平均値を示す。
見てわかるように、20位程度までは、非常に狭い範囲に集中しており、
その後22位のベラルーシ以降、その差は大きくなっていることがわかる。





二つのグラフから、

・ 日本は、20位争い集団にすら入ることができていない。

・ 20位争い集団から、その上の集団までの差は、それほど大きくない。

ということが読み取れる。

今後、日本男子チームが夢の表彰台に上るために、まず、一つずつ、ステップアップしていくことが必要になる。



まずは、20位争い集団 に入る

今年の日本男子チームの目標として、『20位』以内に入るという目標を設定した。
これは、20位争い集団と最後まで戦い続けるということである。
20位集団と戦い続けることができれば、次は、15位集団へと目標をあげていく。

20位集団に入るためには、トップ比120%を3人が維持する必要がある。

トップ比 120%で走ることは、可能なのか?
過去三年間の個人成績をトップ比で示した。


Table 1 過去三年間の個人成績



このように、例年一人、大きくタイムをロスしてしまっていることがわかる。
まずは、きちんと3人が実力を発揮することが大事である。

例年、個々人の能力に大きな差はない。
リレーでのパフォーマンスの違いは、リレーに対するコンディションの整え方によって、大きく左右されている。
ここ3 年間は、どれも、リレーの選考を現地にて行ってきた。
そのため、リレーを走る人は、個人戦終了後に、一度切れた集中を、再度高めていくことが要求されてい た。
それでは、なかなかリレーに対して、良いコンディションで望めないということがわかったので、
今年は、国内合宿にてリレーメンバーを決定し、リレーに 対して、臨むこととした。
例年よりは、個々のパフォーマンスが安定することを期待したい。

一方、08年の山口以外は、120%を切って走れている選手はいない。
良い走りをした選手で、120%に届かないぐらいである。
実際に先のワールド ゲームズにおいても、加藤は、123%程度で3種目を走り終えている。
現時点で日本トップ選手が良い走りをしても、120%を切って走ることは難しい といえる。
3人が安定したパフォーマンスを発揮することが前提で、さらに数%の個々の能力の向上が求められる。



※図の参照:O-News

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