ペナ対策について


【報告者】 尾上秀雄
【実施日】 2002年12月28日

1.はじめに


・ペナは誰しもが経験する不本意な行為
・上級者になってもなかなか無くならない
・大事な大会で2度と悲しい思いをしないで済むように、ペナの事例研究、要因分析を通じて対策へのヒントを得る


2.アンケート


  NT男子:7名 NT女子:5名 一般男子:21名 一般女子:9名  計42名

回答者構成(OL経験年数)
・NT男子は経験10〜20年に集中
・NT女子は経験5〜25年に分布
・一般男子は経験1〜30年と広く
・一般女子は若年とベテランの二極


3. 痛恨のペナ事例集


<コントロール飛ばし>

・2−3、3−4のレッグ線が直線的だったのと、地図にパープルで植生修正 
 が大量に入っていたことによって3番コントロールの存在にレース終了まで
 気付かなかった。その前に1番で10分以上ミスをしていたことの動揺もあ
 るやもしれない。

・コントロールに隣接して給水が行われていた。コントロールチェック後に水
 を飲んだ記憶はあったのだが事実としてCCにパンチ無し。

・つぼってリロケートした時に近くにあった次のポストに行ってしまい、番号
 確認の時にも自分の番号だったので気づかず、ゴールまで行ってしまった。

・近接ポスト(ポストを結ぶ線がないほど)の○にまったく気づかずポストを
 飛ばした。

・レース途中の誘導区間が終わってからアタックするコントロールで、誘導を
 追い込んでペースを上げて走っていた。誘導が終わったところで、コントロ
 ールに向けてコンパスをふったつもりが、向かうべきコントロールから次の
 レッグ(たまたま同じ方向)を見ていた。走る距離が長いと思いつつも、大
 きな特徴物を捉えたことで、気づかずに次のコントロールに向かっていた。

・リレー1走で第1コントルールの到達したにも関わらず、競っていたためパ
 ンチをし忘れてしまった。

・2箇所かなり大きなミスをしてしまっていた。目標を完走に下げて、落ち着
 いていつもどおり走っていた。しかし、巨視的には似たような位置にある連
 続したコントロール(9と10)で勘違いしてしまい、9を取った筈なのに10
 を取ったと思い込んで、そのまま10から脱出するように脱出してしまった。 
 どちらもにたような地形で、脱出方法もおなじ尾根へ向けてのコンタリング
 脱出。その後での処理も同じ尾根たどり。全く気付かなかった。

・つぼった後のポストでミドルレッグが2つ続くレッグ(3→4→5)を一つの 
 ロングレッグと勘違いして4ポをとばし(3→5)で行った。4はまったく見
 えなかったので折れて隠れていたのかは分からないけど、ゴールした時はま
 ったく気付かず。


<隣接ポスト>

・ヤブの中から直進して道に出たところにフラッグがあったので何も疑わずパ
 ンチしてフィニッシュへ。それはBクラスの最終コントロールだった。

・最終コントロールの一つ前で隣接コントロールをパンチ、斜面を降りてすぐ
 が最終コントロールだったので全く疑わなかった。

・スタートから3人のパックで進行していた。私は3番手でパンチをしていた
 ので、2人のパターンが分かれるのを見ながらレースを進めていた。ペナを
 したコントロールでは、そこまで前2人が同じなら自分も同じで、しかもデ
 フが一緒だったのでほとんど疑いがなく、番号を確認しないでパンチをした。

・ロングレッグの2番コントロールで、似たような地形が続きやや現在地に不
 安があるままアタックしたら、ちょうどイメージどおりにコントロールが現
 れた。番号も確認し、役員もいて給水もあるので共通コントロールだろうと
 思ってチェック。しかし次の3番への距離がぜんぜんあわず、大きなミスを
 してしまった。それでもレース中には自分がペナしたとは気づかず、ゴール
 後速報を見て初めて知った。

・ビジュアル区間のコントロールに気づかずそのままスルー。原因は、スピー
 ドを出していて地図読みがおろそかになっていたこと、スルーしたコントロ
 ールとその前後のコントロールを結ぶレッグ線が一直線だったので次のコン
 トロールで違和感がなかったこと、Eカード使用だったので次のコントロー
 ルでも気付かなかったことなど。

・疲れて頭がふらついていたために直前にデフを見たけれどしっかりデフに書
 いてある番号を見られず合っていると勘違いした。

・走りながらに番号を確認、117を頭の中で反芻?しているうちにいつのま
 にか116に変化、「116に行くこと」にすり替わっていた。手前でアタ
 ックミス、すぐに発見したコントロールが116だったので、疑うことなく
 「ラッキー」とパンチ。

・2走で追い上げてラストコントロール1つ前でトップの背中を見た時に自分
 のコントロールだと疑わなくてそのまま確認せずゴールへ。

・私は2走でした。1走の人達を観察していると、みんな同じポスト(見通し
 いいので見えていたポスト)に行っていたので、会場が見えたころには「自
 分も、あのポスト(独立樹)に行くんだ」と思い、そのポストへのアタック
 のイメージをつくっていた。(みんなに見られている中まごつかないように、
 と思って)。その状態でスタートし、OLをして会場が見えてきた時、レッ
 グをみたら、プランは直進。ポスト位置は人口特徴物。コンパスセットして
 前を見ると独立樹が目に入り、「あの独立樹か(会場からは木だったけど、
 人工特徴物にとってるのかも?と思って)」と向かっていき、ポストについ
 た。ここで、みんなとってるし、直進でもちょうどここだったし、点状だし、
 はやくこの場から消えよう・・・と思い、ここのポストだけ番号確認せず次
 に行ってしまいぺナ。

・スピードをかなり上げてオリエンをしていた。近くに池があり池を過ぎたら
 すぐポストと言うように少ない情報でアタックしてしまうその上あまりポス
 ト番号も確認せず(ポスト数が多かったと言うこともあり)そのままぺナ。



4.要因分析と対策へのヒント

NT選手は圧倒的にペナが多い!!

ペナをした時の大会の重要度

NT選手ほど大事なレースでのペナが多い!

どちらの時が多いか: CC vs Eカード

Eカードは使い慣れてない人と慣れ過ぎている人に多い

どちらの時が多いか: デフ公開 vs 非公開

勝負を掛ける男子はデフ非公開時にペナる

コントロール記号の確認
男子は自信過剰で番号確認を怠ることがある

位置説明/C記号の確認タイミング
デフ公開・非公開で差が無い
NT選手はパンチ直後は見ない
NT女子は暇な時に何もしない

位置説明/C記号確認における工夫

○とにかく確認する派
・パンチの直前に必ず番号を確認
・パンチする直前に位置記号、番号確認を怠らない
・必ず時間をとって確認するのみ
・とにかく「見る」。パンチ寸前に記憶と照合して万全を期す
・覚えようとはせず必ずパンチ前に確認

○覚える派
・続番であればまとめて番号を覚える
・下の桁だけを記憶する
・レース中プラン時に3つずつ覚える
・番号とデフを会場で完全に覚える
・紙CCへ転記して印象付ける

○その他
・番号確認の手順を思い描いて通過する
・上り坂などを利用して確認する
・コントロール記号に対して指差確認
・EMITの時は紙CCを自分で用意する
・パンチ直後に現在のデフを軽く見、同時に次のデフを読み流す
・何番目のレッグかはラップ時計で確認する
・声に出す
・デフを見て、確認して、パンチして、ラップ時計を押す習慣をつけている

注意喚起の効果
・思い出させる効果はある
・工夫の余地がまだある

忘れ物をすること vs ペナのしやすさ
・競技に関係するアイテムの忘れ物も予想以上に多い
・忘れ物の常習者はペナとの相関を否定し、忘れ物をしない人がペナとの相関を肯定する


5. まとめ

・NT選手はペナが多い
 -OL技術とは別の次元での工夫が必要
 -慣れによる過信、精神的・体力的余裕の無さ

・手続きを確立・遵守している人にペナは無い
 -練習の時も手続きを意識すること
 -デフ非公開時の確認手順を工夫すること

・競技に関係する忘れ物も多い
 -ペナ同様に注目を


ペナは自分の工夫で防げる!






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